たらら・り・ら/七尾きよし
 
ぎこむかのように
内側へと流れこんできた
その触手は心臓を撫で
次にノド仏をトントンと弾むようにたたいた
何かがぐるぐるまわりだしてせまい道をおしひろげながら
それはこみあげてきた
ぼくの口から発せられたことば
毛穴という毛穴から小指の太さもあろうかというひも状のものが抜け出して
宇宙へと飛んでいく

世界はぼくの知らない感情で包まれた

やさしさを
ことばにするきみ
かなしみはことばにするまでもなく
あめふらし世界をぬらしてる

ぼくは愛の
ことばをうたう

たらら・り・ら



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