昼間の世界/マッドビースト
 
発掘された古代の石器が
 見つけないで欲しかったと
 土をかぶるように
 
 カーテンを抜け降り注ぐ朝日を避け
 クリプトはシーツにもぐっている
 
 鳥たちの歌はとうに終わっていて
 世界は道という道を
 血管の中を血が巡るように走り回る
 自動車の音で溢れている

 吐き気がするような朝だ

 クリプトは太陽を愛している
 昼間の世界が嫌いでならない
 太陽を独り占めできない時間が嫌いでならない
 
 降り注ぐ光は街中のあらゆるものを光らせている
 うるさく臭い排気を出し走り回る自動車のバンパー
 取るに足らないものまでも
 
 クリプトは太陽を愛している
 自分が取り残された気がする昼間の世界が嫌いでならない

 クリプトはだれもいない空き地で太陽を独り占めする
 或いは早朝の海
 アンチフリーセックス
 一方的な愛が
 光子とは真逆に宇宙へ向かう
   
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