行進の果て/シホ
 
見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな

そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている

人々は逝ってしまった
もはや知る者もなく
雑踏の中で
見え隠れするものを追う
影か神か幻覚か
それはきっと目にとって
自然なことだ

僕らの神は
むしろ莫大なリアリティで
かつ曖昧に
存在している
神という言葉をもって
歩くなら

長い行進曲もやむとき
僕らは僕らのやり方で
朝日を見ない朝を起きよう

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