good-bye circle/霜天
 
ついに、越えていかれるのですね。


拝啓、海沿い、立ち並ぶ風車に。ごろんごろんと音をかき混ぜる大きな手に、何でもないことを、挨拶のように振舞うあなたに。ここを、越えていかれるのですね。知っていますか、すべて知っていると言っていたこの景色も、寄り添うものに服を脱ぎかけ、私、たちの知らない夕暮れになることを。


風景は揺れていますから。
ざわめきをもって迎えてくれますから。
越えていかれるあなたの足跡には未知の空白が増えていきますから。
何を追いかけるでもなく、ここにいる夢を見るのです。


涙ぐむ自転車が、雨の路肩に忘れられて。それはとても明るいのですか。グッバイ、サーク
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