シーラカンス/あおば
を
朽ち果ててから掘り起こそうとする
無慈悲な企て
誰もが予測できない今夜の勝敗
しらばっくれているのは
時代そのものといいながら
今夜の通過する電車の窓からも
明るい窓が周辺を照らし
一瞬の希望を抱かせてくれる
しらばっくれるなよと言いながら
修辞的現代と言われながら
気の利いた台詞の一つも吐けなかった僕は
シーラカンスのように不器用な手足で
冷たい水を掻いて深いところに
より深いところへと潜りもうとする
自らを生きながら葬り去りたい
時代遅れの怪物なのかも知れない
シーラカンスの缶詰、
相手ゴールに蹴っ飛ばせ
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