夜光虫/
でこ
今夜も蛍光灯の光が恋しくて
都会の片隅で
人工の光を浴びに現れる
駆け下りてくる人影
坂道にカタカタ鳴って
わたし、知っているよ
手にしたビニール袋には
小さな石鹸と歯ブラシが一本
わたし、あなたをきっと知っているよ
あなたの背中を見送って
わたしも駆けのぼっていく
わたしたちは みんな夜の虫
ホタルにはなれないから
光が恋しくて集まってくる
小さな
小さな
夜の虫
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