最後の痛覚/シホ
 
しろく
白濁する身体

血管の赤く
くろぐろ流れる日々

小さな小さな
ほとんどミクロの

暗点より
無理から繰り出される

悲劇
ほとんど架空の

白濁する日々が
くろぐろ流れて

もはや見ない
日々を止める堰の向こうへ

しらじら流れ出る悲劇
ほとんどコメディ

鈍痛は内臓をめぐり
沈黙の肉の裡を這う血流の

有って無いイメージ
涸れてなお滔々と

得体の知れぬ覚悟が
黒ぐろ血管を流れて

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