例えば遠くへいく友人に宛てて/高田夙児
 
 のをたまの日曜とかに聞かされると、ほんと癒されるな、と思う。
   
   歩きたかった道、日差し、水の匂い、私の内側にあるもの。君は
   知らないよね、そういうもの全て、ただ私を悲しくさせていくも
   の、零れていかないように一つ一つ手にとっては私の井戸に落と
   しているんだよ、いつも。皆楽しいことばかりで生きてきたわけ
   じゃない。
   
   私は何も変わらず、何も変えないまま死んでいくから。
   そばで見ててよ。

   明日も仕事で明後日も仕事で、明明後日も仕事。皆そうして生き
   ていくなら、不愉快だよ。いっそ昆虫の餌食べたい。
  
 
[次のページ]
戻る   Point(3)