例えば遠くへいく友人に宛てて/高田夙児
のをたまの日曜とかに聞かされると、ほんと癒されるな、と思う。
歩きたかった道、日差し、水の匂い、私の内側にあるもの。君は
知らないよね、そういうもの全て、ただ私を悲しくさせていくも
の、零れていかないように一つ一つ手にとっては私の井戸に落と
しているんだよ、いつも。皆楽しいことばかりで生きてきたわけ
じゃない。
私は何も変わらず、何も変えないまま死んでいくから。
そばで見ててよ。
明日も仕事で明後日も仕事で、明明後日も仕事。皆そうして生き
ていくなら、不愉快だよ。いっそ昆虫の餌食べたい。
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