これ以上/
 
 つまりは現在、街灯が必要な時間
 月は夜露に濡れ
 よりいっそう鈍く輝くのに
 ぼくの周りはただ沈黙がざわめき、
 時に彼らはこちらをいっせいに見やる
 
 幼いわたしはいつでも作り物
 哀れみをつきつけられたる餓鬼に成り果てていて、
 それこそ哀れだと。

 無機質な返答や、
 理解したふり
 どうやらぼくの言葉の本質は、
 真理は、
 虚空の中に消えたらしい

 彼らは、大丈夫だ、そう吐き捨てた
 そうして弔いの後で宴を始めた
 哀れだと思った
 わたしはベランダから駐車場を見やる
 もう父が
 乗ることのない
 赤いミニワゴンが
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