理由-初夏-/Keico
蒸し暑さを鼻で感じる
時計の針は多分
一時辺りを指しているだろうな
草をすりつぶした匂い
蚊の音
必ず訪れる明日への不安
頭に浮かぶ君
そしたら どくん と鳴る心臓
寝れない理由なら
いくらでも挙げられる
理由の種を植える君
それに水をやる私
目を瞑ってまた開けて
明日君に逢ったなら
素直になろうと思ったことも
忘れちゃうんだろうな
鼓動
目
言葉
正直になれない理由だって
いくらでも挙げられる
視線を天井から壁に移すという
今夜何回やったかわからない行為を終えて
草の香りを静かに吸って
今度こそと目を閉じた
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