嫌われ者/Tommy
 
レヨンに乗ると
画用紙にはきらめく太陽がうまれた。
そんなこと 僕にはできない芸当だった。
みんなクレヨンに愛されていた。

世の中には
誰にもできることと
限られた人にしかできないこととがある。
クレヨンで色をつけるのは
誰にでもできることなのだそうだ。
クレヨンに愛に気づいていない人の言葉だ。

今はクレヨンを使う必要もなくなり
くるしい思いをすることも少なくなった。
それでも 時おりクレヨンを見かけると
僕はそのきつい視線を感じにはいられないのだ。
未だにクレヨンで色をつけるのに成功したことはない。
未だにどうして嫌われているのか分からない。
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