雨にさらわれたあしたへ/AB(なかほど)
 


あした
忘れてしまうのならば
濡れて帰ろう

あした
思い出せないものを
濡らしておこう


あしたも
忘れてしまえないものと
濡れて帰ろう

また
思い出してしまうものと
濡れてしまおう


いっそおいらのせいにしてくれよ
とぶらさがっているへのへのもへじに
あっかんべえして
早くも黄色い長靴を準備した晩のように


いっそ
雨にさらわれるのは
きょうのわたしだけで

あしたはみんな
違うあしたへ



fromAB

戻る   Point(5)