或る想い出/
チェザーレ
街灯に葉が透ける
見るでもなく 見ないでもなく
浮かぶ 黒猫の瞳
水たまりに漂う
おびただしい黄色の残骸
昼 彼らは風に揺られて
あたらしいいのちを探していたんだ
春は今 終わろうとしているんだ
公園のベンチと
歯形のついた滑り台
10年前に植えられた
真っ白な2本の種も
いつかはつるつると真っ白な芽を
また 雨
アスファルトから染み出す
濡れた空の匂い
物心もつかない春の日は
雨がかためて連れてった
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