夏山/
杉菜 晃
湖に浮かぶ
帆色のとりどりを
ひとつに統ぶる四方のみどりよ
身に余る人の荷を負ひ
ゆく驢馬(ろば)の
後ろ姿のほそほそとして
夏山のさ緑の中
くぐりゆかむ
のぼする芯を冷やさむとして
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