* * * */パキラ
僕を語る、巻頭詩になるはずの言葉たちが
一語一句バラバラに僕の体でパズルみたいになって
僕汗たらしてそれ追いかけてる
穴だらけのタモでそれ捕まえようとしてる
僕がピースをひとつ掴めばもうひとつのピースはするすると逃げて
言葉たちは息切れひとつせずに僕を哀れんで
少し軽蔑もしてるんだ
それは僕が僕を語る言葉をこんなにも持っているのに
僕を語る言葉を知らないからかもしれない
ニヤニヤと不適な笑み浮かべて
言葉が連結していく
繋がった言葉は穴だらけの鎖になって僕に手錠をかける
汗、粘膜に流れこむ
僕はたまに思うのだけど
知らないことって一番さみしい罪だよね
それと同時に罰まで果たされてしまう無神経さ
でもね
まだ僕自分の無神経さにいまいち気付けていないんだとも思うよ
今日みたいに晴れた日は
もしかしたらだけど
今書いているこれが僕を一番に語ってくれる言葉の連結なのかもしれないね
「完成しない巻頭詩」
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