迎夏/茜幸美
 
今日も太陽が死んで、また夜がくる
弔いの赤い炎は空を焦がして時を見送る

赤の外と紫の外には不可侵の光
触れられないものは大切なものばかりだけど
いつだって壊れやすい
虹ですら見ることが叶うのに

いつか失った夏のように
胸に刺さった痛みをかかえているのに
私たちは半袖とサンダルで陽射しをうけとめて
にっこりとほほえんで夏を歓迎した

あっいう間に去っていくのに


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