Cats/みつべえ
たら、まず第一に・・・」
ゾシマが講義をはじめても他のネコたちはまったく無関心で、相変わらず好き勝手な格好で座ったり寝ころんだりしていた。自分の身にふりかかったことではないからどうでもいいと思っている様子だった。いやいや、思ってさえいない。
(まだ起こっていないことを考えるなんて面倒くさくて)
ネコたちはいつもそんな表情をしている。
そういうわけだから、今朝のラッタは意気揚々としていた。ゾシマから長時間にわたって伝授された事柄は、まるで魔法の力のように全身にみなぎっていた。(とくに下半身は歩くのもままならぬほど怒張していた)
しかし、聞いたことのほとんどをもう忘れていた。かす
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