超低空飛行/茜幸美
戦うこともあった
負け犬決めこんで手を抜くこともザラだった
どっちがどうのというわけじゃない
高く飛ぶか低く飛ぶかは
いいわるいの問題じゃない
にやりと笑って
砕け散っていたやつらを
あたしは背中でこっそり見ていたんだ
住む世界が違うとわかれば
なんてこともないやつら
それはそれでアリなんだって思うよ
とんでもないことをしでかすやつらを
まぶしくながめることにすら
罪悪感と羨望がいりまじって
そんな自分はどうしようもなく
アワレな気がしてとめどなく
振りかえらずに走っていく強さ
目をつぶったままで疾走できる強さ
結局どちらにしても
後ろは関係のないことだってことなんだけど
理由には興味なく
ゴールに目指す何かがあるわけでなく
目的意識薄く
ただ
どうしようもなく
気分がのっちゃったってだけ
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