お ん な/葛西佑也
*
いつまでも、
溶けそうにない
って、 思えてくるの。
この雪の 白い場所で
あなたは ぼくを。
大きな瞳の奥には、
雪の風景、と
ぼくたちが、
マッチングせずに。
まるで、古臭い
邦画だね。
雪の国の記憶に、
比べてしま ったら
あなた も
ぼく も
大きくなってしまった。
それでも、
「今が一番いいのよ」 と
あなたの大きな目が言ってる。
いつまでも、
その目を失わないで、
見ていて ぼくたちを。
雪の日は 過去の記憶なの。
それさえも、
埋もれて い、く。
*
男は、
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