風のゆくて(十九)/
信天翁
静まりかえった丘のひだ
一年のうち最も紫外線が強いという水無月
太陽は鮮やかなかげをつくる
昼下がり
のどかに物干し竿を売るスピーカーが路地を通る
住宅団地の窓では干し布団を叩く鈍い音がひびく
(単純に想う ささやか平安とはこのことだと)
まさに風と光が競いあっている
孤高の息を吐きながら・・・
あゝ 四次元の奥はまぶしいなぁ
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