H2O/あみ
 
知ってるんだ
いちど
出会ったんだ

引っ掻かれて
愛しくて
哀しくて
わたし
泣いたんだ

それ
針がついてるんでしょう?
ごくん
したら

あなたまた
笑うんでしょう?


『水のある場所』

ひとりではないけど
ふたりでもない

出発まえに
目覚ましが鳴り出す
まあるい背中
かんねんしたように

ゆき
はい
けむり
まいあがる

くぼみを愛でる

あらわに
ここでごまかす
リピート

いつのまに

乳白色に
消えてゆく
加湿器のおと
くろめがおよぐ

すいすい

かんそうは
NOだ
彼はリタイアした

ついつい
笑みがこぼれる
それは
とても苦々しいものなのだが


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