夢の匂い/
さち
薄い眠りの表層に
愛しい物語が広がる
つかみどころのないストーリーを
諦めたくなくて
覚めてしまいそうになる自分を
何度も呼び戻す
せつない私
恋のようでもあり
思い出のようでもあり
これは幻だと知りながら
その匂いに包まれる
少し幸せ
のような
僅かに哀しい
ような それは
目覚めた私を
あと少し包み続ける
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