遥か世界/
かのこ
頭がぶっ飛んでしまうくらいに
遥か世界を越えて
愛しさを知った
眩しい真っ青な暴風に巻き込まれ
未熟な翼を拡げたのはいつだっただろうか
今ここから見える
たとえば雲の向こうの光は鮮やか過ぎて
今日まで生きてきたその記憶までをも奪われやしないかと
本当は少し怖いくらいなのだ
それくらいに
幸福のわけを手に入れてしまったのだ
だから飛び立ったあの煌めく緑を
ビル街にも地下鉄にも似せて見ている
どこかに降り立つ気が全くしないのだ、未だ
翼が焦げても
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