君に・・・/洸崎しゅう
 
静けさが冷たい
いつもの道にもう拾えない
何かを落としてしまったんだ

必ずどこにでもある世界
僕はそこにいた
君がそこにいた

君の指の隙間に見えた
奇跡だけが取り残された
僕と一緒に・・・・・・

僕は瞬きをする
君は広げた手のひらで
空をつかもうとする

泣いているの?

僕は背中をまるめて
風をはらんだシャツの襟元をしっかりと握り締めた

この声が届いたら
君に見えるだろうか

雲は白いんだよ
木々は今若葉色
陽の光は暖かくて
風が君の髪と戯れて流れる

当たり前だけど確かなこと・・・・・


冷たい空気を僕はゆっくりと吸い込んだ

君の耳元に囁く言葉の為に・・・
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