第一次発掘報告の未発表草稿/たりぽん(大理 奔)
 
未発見のもので、その独自性から線文字A(アレース頭文字から)と呼ばれ、文面は現在まで解析が続けられていた。

研究チームは石はその材質からネパール、マチャプチャレ峰の麓から運ばれた物と断定し、重要なメッセージの記された石碑であると考えるに至った。石碑はアメリカの研究施設に持ち込まれ、読み取られた文字はスーパーコンピューターを動員して解析が進められた。解析には相当な時間がかかると思われた。他に類する文字がないため、データベースに納められた言語と数千に及ぶ文字体系に照らし合わせるだけで相当な時間がかかるからだ。

しかし、この1年の間に事態は大きく変化した。量子コンピューターの実用化である
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