誇り/広川 孝治
 
「夜と霧」(ヴィクトル・E・フランクル)

この書は、自らユダヤ人としてアウシュヴィッツ収容所に囚われ、奇跡的に生還しえたフランクル教授の「強制収容所における一心理学者の体験」であるが、その中の一部より、人間の自尊心の強さについて説明している部分を抜粋したい。


{引用=
「第三章 死の蔭の谷にて

第二の段階とは比較的無感動の段階である。すなわち内面的な死滅が徐々に始まったのである。・・新入り囚人達は収容所生活の第一期には、苦悩に充ちた・・感情昂奮を体験するのであるが、やがてまもなく彼は自らの中でこれらを殺すことを始めるのである。
(中略)
・・この無感動こそ、当時囚人の心
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