日と音/静山和生
 
       に寄り添う不吉な白さ

          いつの間にか

          雨に濡れた

          灰の香りが

          立ち込めてくる

          鼻腔を突くなつかしい香り
          それは消尽した生

          −あるいは死の

          どこまでも塗り潰さなけれ
          ばならぬ徴として顕われる

          その名をしるせ

          償われるべき死へと

          したたっていた

          生の速度を  

       
        
戻る   Point(0)