日と音/静山和生
 

          糸という差を 差という糸
          として 縒り合せる度に
          
          摩滅してゆく 響くことを
          放棄した大気

          かつて廃墟として君臨した
          紡績工場の跡地にただよう
          みだらな形式の痕跡

          砂の糸をつむぐ

          機械の音 音の機械

          の回帰

          触知しえぬ環の形象

          どこまでも平面であること
     
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