おれの時間/Tommy
 
おれの腕時計はデジタル表示で
一秒に一回ぴくんと数値を変える、
壁に掛かったアナログ時計も
やはり一秒に一回ぴくんと動く。
二つの時計を横に並べて
その洗練された一心同体ぶりを見ていると
部屋には近代的な白いオーラが充満し
おれは卒倒しそうになった。

世の中には肌に合わないということがある。
おれの時計だって こんな泥のような奴を縛っているよりは
もっと集積回路のように聡明な人と過ごしたいに決まっている。
合わないのに無理して共生することはない、
おれはお前らがいない方がよっぽど愉快に生きていける。
男らしく訣別しようじゃないか。

お前らの仲間は誰もついてくるな、
もちろんメトロノームの類も邪魔だ。
そしておれは打楽器を拾い
太陽や月や肺や心臓の音を聞きつつ
それら一切と激しく矛盾するリズムで生きるのだ。
でんでぃんど ららん
どぅん どぅんどんだんでん
でぃでぃ とことこ どぅるら
だんだりり どぅるんどん
これがおれの時間だ。

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