「 不思議な体験 」/椎名
迷い込んだ山道は
まるで不思議の国のようで
見たことの無い景色や
初めて通る道が
覆いかぶさって
笑っているかのように見える
木々の切れ間から
青空が覗いてなければ
入り組んだ迷宮のよう
センターラインを頼りに
記憶を頼りに
来た道を引き返す
いくつもある分かれ道が
おいでおいでと
誘いかけてくる
見覚えのある地点に出る
ぱあっと日向が広がる
迷いの森を抜けた瞬間
戻れたね
元の世界に
見交わす目と目に安堵の光
そしてゆっくりと
冒険を乗り越えた妙な
喜びが湧いてくる
どこに行っても
どんな状況でも
二人なら
全てが輝く思い出になるのだろう
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