歩道橋/セキラボ!
 
交うこの通り
ミドリは歩道橋で太陽と重なっていた


ケンジ君の自転車が通ったことに
ミドリはすぐに気がついて


桜の花びらが散る中
ミドリは髪をたなびかせて疾走った
マフラーが風に飛ばされそうになりながら
ケンジ君、ケンジ君と言葉が零れ落ちる


この街は春になった
日差しを受けて暖かく
私は恋に生きるのだ と
ミドリは駆け抜けながら

想った








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