「ゆう」/ふるる
 
夕暮れの砂浜を、パレードが歩いていく。
波に打たれてはまた現れる平らな砂の上、音もなく、けれど楽しそうに、
見えないパレードが歩いていく。


海は
美しくも儚げな
歌とも音楽とも言えないものをしていた

夕暮れの砂浜
風景のように佇む二人
その間で
時がふと、


海は
美しくも儚げな
歌とも音楽とも言えないものをしていた
二人のそばで

二人はむかし

一人だったり
二人だったり
三人だったり
四人だったり
していた

{引用=わたしが「タカシ」と呼ぶとタカシもその人も一緒に返事して、タカシが「ゆう」と呼ぶと、わたしも優も一緒にそち
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