落下する男/千月 話子
ああ、男は36階の屋上で
誰一人居ない 屋上の一角で
この世の切なさと
この世の厳しさに
ゴクゴクと酒を飲む
だが、しかし
不本意にもああ、不本意にも
足を酔いに取られ
誤ってフェンス超え
= 落 下 す る =
のだった あああああ、、、
ビルとビルの谷間から渦巻く
びゅるるるる・・と鳴く音が聞こえてくるよ
もう尻から1メートル下を
冷えた風がやって来て
腹を壊しそうだ
ああ、もうそんな事はどうでもいいじゃないか
羞恥心も強風に奪われて
ユルユルと下してしまえ!
爆風のように吹き上がるビル風は
神の御手か 更なる不条理か
小さなプラスチ
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