未完詩/
まほし
そしてあなたは走るのでしょう
今日の扉を次々と開いて
明日へ逃げる光を追いかけるのでしょう
わたしは 息吹き
わたしは 芽生え
あなたが扉に手をかけた瞬間、指先で静かに光合成する
わたしは ノート
わたしは 書きかけの詩
開かれたページをペンが進む、文字で描かれるあなたも
触れえぬものに触れようとしている
未完詩の中で
あなたは〈わたし〉を開いて
まっしろな二面鏡にきらめく言葉を走らせている
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