黒風の中の白鷺/長谷伸太
 
お前は何を待っているのだ
いつから待っているのだ

風は冷たく
帰れ帰れと鳴いている

水につかったお前の細い足は
凍って今にも千切れそうだ

太陽は沈んだ
月も雲をかぶり星一つ出てはいない

もう何も来はしない
お前は何を待っているのだ

お前の目は
どこか遠くを見ているね
お前の目には何が見えているのか

お前は何を待っているのだ
私を目の前にして
私を透り過ぎるのはやめてくれ
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