グレート・ノベンバー おわり/長谷伸太
 
十二月二十三日、太郎君はノベンバーに会いに行きました。クマみたいに大きくなって、幸せそうに座っていました。ノベンバーの体の表面にヒビがはいっているのが見えました。太郎君が近付くと、ゆっくりそっちを向いて、にっこり笑いました。
 「あー、こんにちはー。今日はいいお天気ですヨー」
 「うん、そうだね」
太郎君はノベンバーに話すことが何もありませんでした。ついこの前までいったい何をしゃべっていたのか思い出せません。鳥が飛んできてノベンバーの頭にとまりました。鳥の乗ったところが崩れて、太郎君にぱらぱら降ってきました。それは土でした。太郎君はあわてて鳥を追い払いました。
 「おまえ、来るな、あっち行
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