【 父さんの氷 】/
豊嶋祐匠
水道の水で満たした
目を閉じて
ひと口
ふた口
痛くなるほどに
その冷たい水を
ゆっくりと
喉に流し込んでみる
今朝
父さんが
凍らせたばかりの
氷の味
ただの
無味の水だが
喉を
流れる度に
僕の目頭を
熱くさせて、止まらない。
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