貴女のこと/クローバー
 
るからに気力がなく
蒼白だった「宿代・・」「いいよそんなもの、いらないよ」
無理やりな笑顔を見せると、貴女はふらふらした足取りで部屋に入っていった
あまりの状況に、何があったのか、聞けなかった

春、桜が咲き、そして、散り始めたころに、貴女は
また、どこかへ行ってしまわれた
どこかを探そうとは、思わなかった
ましてや、ボクは、貴女のことを、どうとも思ってなどいないのだから

夏、痴漢が増えるこの時期に
排水溝の中で
生まれたばかりの子を抱えたまま
の死体を
見つけ
貴女がボクの前から姿を消した理由を知った

子供ができてしまったのだろう
そのせいで、仕事ができな
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