貴女のこと/クローバー
見せずに。
ある日、なぜ夜に抜け出すのか聞くと
「眠れなくなってしまうから」
とだけ、答えた
そしてそんな日々が、2ヶ月過ぎた
その日の朝も当然のように、寝床には姿がなかった
またふらりと帰ってくるだろうと思っていたが
しかし、帰ってくることはなかった
「気分が変わったのだろう、帰ることができてよかった
こんなところにいても、しょうがないんだ。よかったよかった・・・」
と、口に出していた自分が、返事を待っているのに気づいた
眠ることを、できないでいるのに、気づいた
貴女の部屋から、寝息が聞こえる気がして、何度も覗いた
二日後、帰ってきた貴女は、見るか
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