五月の彙報/本木はじめ
薇孔雀虹の光彩つぶての闇に
春の雪降るとふ都まぼろしのきみの小指に彫られし蝶と
きみは中国に帰るんだね。海は青いけどぼくらの血は赤い
忘れるよおまえのことはもう二度と思い出さないおもいだすまで
サンキュー、フレンズ!バイバイは言わないよ秘密基地が燃える
春のその無言のきみを責め立てる雷雨のごとき花々の赤
新しいきみの名前をみつけたよ底の底の底の、青空
偽物小屋
やわらかく魚眼レンヅはきみの眼を映して割れる無数の視線
ネオロマンチストだきみは校庭にすでに死体のぼくを呼び出す
鉄格子はさんでとわに信じ続けている自由なのは僕だと
ひからびた猫の死体に語りかける立体駐車場で天使は
もし仮に翼があったとしても嗚呼、ぼくは飛べただろうか屋上
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