詩人に なりたいかも その2 詩のバックグラウンド、あるいは技術の吸収についての私的所見/英水
 
 ところで、ところで、ここで川合の天邪鬼がひょいと顔を出す。
「詩を書くことに、本当に詩のバックグラウンドや、詩そのものについてのあり方について探求する必要などあるのだろうか?」と。

 僕が若かりしころ、というのは建築を学び始めたころ、僕は一つの疑問と不安にぶち当たっていた。過去の建築を踏襲(参考に)するべきか、どうかという疑問だ。というのは、もし仮に建築の技法、手法を手に入れたならば(手に入れてしまったならば、と言い直してもいい)、僕はその手法から抜け出すことができないのではなかろうか、と僕は不安に陥ったのだ。そして思った、たとえば、サガンを見よ、ロートレアモンを見よ、ラディゲを見よ、彼
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