十二月の鷹/
大覚アキラ
兵士たちの流した血で
山肌は赤く濡れている
野良犬の剥き出しの陰茎のように
目眩い輝きを放ちながら
鋼鉄で造られた機械が
鋼鉄で造られた機械を壊してゆく
見ているだけで身震いするほどの
心地よい勢いで
まったくその速度を緩めることなく
壊し続けてゆく
遠くには赤く濡れた山肌
そして目の前で繰り広げられる
鋼鉄で造られた機械による
徹底的な破壊
鷹は凍てつくような眼で
じっとその様子を見つめている
もうすぐ
雪が降り始めそうだ
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