おっぱい/大覚アキラ
 
すがりついて
大声で泣きわめきたい

背中にはいつも
透明な切っ先が突きつけられていて
ほんの少し
力を加えれば
何の抵抗もなくそれは飲みこまれてゆく

じぶんが望んだから
こうなったのに
誰かのせいにしたくて
いつも
あたりをうかがっている

でも
ほんとうは

すがりついて
大声で泣きわめきたい

子どもみたいに
なりふりかまわず
朝まで
おまえの胸を
独り占めしていたい

なにも怖くない

なにも怖くない

そう言い聞かせながら

森の奥に
ひとりぼっちで
歩いていって
誰も知らない場所で
きれいな緑の葉っぱを
丁寧
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