地蔵前/みつべえ
 
な、と地蔵は思った。どれどれ、ひとつ味見を。地蔵は石の手で器用に包みを開き、チョコレートのかけらを口に放り込んだ。
 うっ・・・
 地蔵はすぐに吐き出した。ぺっぺっと何度も唾を吐いた。溶けたチョコレートが唇の端から顎にかけて一筋流れた。手渡せなかったのは、トモコのためにもアホのコータのためにも幸いだった、と地蔵は心から思った。

       
  (おわり)


●昔かいた「変な味がする話」の第一話です。
こんなもんを打ち込むのに一日かかってしまいました(笑)
今日ムスメが作っていたチョコレートは巨大なオニギリみたいでした(爆)
誰にあげるのやら。うーむ。









 

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