緩やかに紐解かれる休日の午後/朽木 裕
 
あぁ、こんなにも愛していたのだ

零れ落ちてしまった言葉
繋いで離れた手の隙間
水面にたゆたう魚の骸

初めて逢ったのに君はもう骸だった

ぷかぷか浮かんで
ぷかぷか沈む




沈む




つまり私は君を
死骸としてしか知らないわけで

生きていた君を
一度もこの目に写していないと云う事です

どうしてかな

生きている君の仲間は沢山いるのに

生きている君の姿を想像する事さえ出来ないのは
戻る   Point(5)