普通のこころ/美味
あなたは私のことを迷惑だという。
私の頭がおかしいという。
だから私は笑う。
おかしいからじゃない。
悲しくて悲しくて、笑える。
最愛のあなたを
困らせるつもりなんかない。
そんなわけない。
こころはある。
こんなに狂ってしまっても
歪(いびつ)だろうが
欠けていようが
私にはこころがある。
ただ、ちょっと
ほんのちょっと
たがが外れているだけ。
意味なく叫んでしまう私を許してください。
昨日、
草むしりをしたばかりの庭に咲く
あなたの花は生き生きしてきれい。
家の裏の小さい丘に登って
周りを見回しながら
あなたと浴びる風は気持ちいい。
いつでもどこでも
あなたに撫でられると嬉しい。
空と同じ淡い水色が好き。
私を愛してくれるあなたが好き。
ほら、
こんなに普通。
なのに、ね。
時々より少し多く
叫んでしまう私をどうか放さないでください。
戻る 編 削 Point(1)