無音の絵本の話/夕凪ここあ
 
「だから開いちゃダメなのに」

もうそこに何が描いてあったかわからない

なにか、素敵なものだった気がする

夜がすっかり落ち着いた頃

誰にも見られないように ひっそりと

絵も文字も家から抜け出して

もう戻っては来ないことを知らされた

おはようの午後、

閉じられて終まった。

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