まちぼうけ/ポロリ
 
静かな絶望の風が
こいつらの体にも
纏わっているのだろうか

二十分ほど
この黒の儚げな線を
真っ白のベンチに腰掛けて
眺めている

自分より重い荷物を
えっちらおっちら担いで歩き
いつまでも同じところを
ぐるぐるまわる

遠くで名前が呼ばれた気がした
立ち上がり後ろを振り向く
彼女が手を振って
息を切らせて駆けてくる

目の前に立った彼女は
真っ黒なキャスケットをかぶり
真っ白な八重歯をのぞかせている
胸元にはプレゼントした十字架が輝いている
まるで胸に墓が突き立っているようだ

ふいに母が親戚の爺さんが死んだ際に
「〜さん、フクジョウシを知っ
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