生まれて初めて、言葉に向き合って/はゆおりいと
ここに居てもいいですかと訊いてしまうのはとてもこわくて
悲しいこたえを知っているような気がして
言い訳ばかり思い浮かべては
泣いてしまいそうで
きっと許されてはいけない、
何も持てない両手
きっと許されてはいけない、
誰かを幸せにできないてのひら
いっそ裁いてもらえるならと
冬の桜に谷底の春を待っていて
いつだって誰もがあたたかでした
いつだったか誰かはあたたかでした
何もできない自分だけが立っていました
手を差し延べられてばかりの自分が蹲っていました
鼓動の音なんて煩わしくさえあったのに
静かに聴き取ってくれた
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