弔い/
 

ゆるいカーブのようでした 尾をふって泳ぐ
さかなでした えんえんと沿って進むだけの
からだは速度を知らずに うちのめすバット
を聞きました ひびくその硬さにふるえまし
た きみのこえで呼ばれるわたしのなまえが
みなもにうすく浮かんで からだとおなじ揺
れ方をした
 拡散するソーダ水のひずみがすべらかな
 肌を軋ませ、伸びる影は窓枠からはみだ
 してゆうやみと遠のいていく。しののめ
 に、ひらく花をおもう。はなびらと共に
 こぼれたものの居所を、だれか、知りま
 せんか。
どこまでもどこまでもどこまでも続くカーブ
には笑い声だけが膨らんでゆうひに射られた
なまえは進
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